リカバリーカレッジは2009年に英国で開講されました。源流はアメリカのリカバリー・エデュケーションセンターです。それまで医療や福祉サービスは、専門家が支援する一精神的な困難を抱えた人がそれを受けるという従属的な関係が一般的でしたが、当事者が受け身ではなく主体的に、目標の達成に基づいてケアとサポートを設計できるように「パートナーシップ」へ変容することが求められるようになりました。そのためには「コ・プロダクション(協働による資源づくり)」という、「専門家と当事者が対等な立場で協力しながら、サービス内容と政策を決定する考え方」が不可欠です。
リカバリーカレッジの主な特徴としては①学び合いの場②共同創造③リカバリーやそれぞれの強みや可能性を重視している。④可能性に開かれている。⑤地域とも精神保健福祉サービスともつながり、その二つの架け橋となる。⑥すべての人を受け入れ、開かれている。という特徴があります。提供されるプログラムは様々ですが、精神的な困難を体験した人はその経験から得た知識をそれぞれ持ち寄り「治療ではなくて学びの場」を提供してます。つまり、当事者だけでなく、その家族や友人、地域住民、支援者など周辺の人たちも巻き込み、各自がカレッジの受講者(学生)となり、学びの場が形成されているのが特徴です。